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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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おぴかの者

 最近知って驚いたこと。


 武士が、ポケモンは実在すると思っていたこと。


「大家殿、この場所にピカの丞はおらぬのか」


 先日動物園に行った際、ぷいぷい鳴くモルモットを眺めていた武士が突然そう口にした。ピカの丞――おそらくピカチュウのことだろう。武士とはそれなりに長い付き合いなのですぐにわかった。

 いないよ。動物園に、ピカチュウは。


「左様か……。いつか、野生に生きるピカの丞に会ってみたいものよ」


 いないよ。野生にも、ピカチュウは。


「……」


 うん。

 いない。


「……無……?」


 無ではない! 断じて、無では、ない! 

 かれこれ幼少期の頃から夢中になったゲームの世界で生きるモンスターを無だとは思いたくない!!!!


「架空?」


 そう、架空の存在なんだ。ピカチュウは、ゲームの世界で生きるモンスターなんだよ。


「ケツバトラー?」


 ケツで戦うゲームとは関係ない! あってたまるか!!


「しかし、げに愛おしき桃玉の世界を隅々まで見ても、ピカの丞はおらんかったぞ」


 カービィの世界にもピカチュウはいないだろうなぁ……。

 えーとね、ゲームといっても本当にたくさんあるんだよ。そしてそれぞれの世界観は独立してる。わかるだろ? カービィがケツに刀を挟んで戦ったりしてたか?


「むう……思い返せば、そういう変形もしていたような」


 するかぁ!! 一刻も早く捨てちまえ、そんな存在しない記憶!!


「うむむ……だが、そうか……ピカの丞は、おらんのか……」


 明らかにしょんぼりする武士である。それを察したのか、モルモットたちがぷいぷい集まってきた。いや、これは武士が持ってるおやつのキャベツ(100円)が気になってるだけだな。

 ……。

 ……確か、うちに買うだけ買って積んじゃってたポケモンのゲーム(ソード)があったから、一緒にやるか?


「やる」


 よし、やろう。それが済んだらポケモンセンター行こうな……!

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