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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
483/588

マグカップ

 武士がマグカップを割った。


「すまぬ」


 いいよいいよ、怪我がなけりゃ。


「しかし、こうなっては新しい湯呑みを買わねばならんな」


 いや、その必要はない。なぜなら……


 まだまだッ! 大量にッ! マグカップはあるんだからなァァァァァッ!!!!(食器棚を開く音)


「な、何ィ~!? なにゆえ大家殿の家では湯呑みがひしめいておるのだ!?」


 マグカップは無難なプレゼントとして上位に入る存在ッ! その上、景品やキャラグッズにもマグカップがあてがわれることが多く、少し前まで結婚式に出たら結構な頻度でもらうことが多かったッ!! しかも! 陶器は! 長持ちッ!!

 ゆえにッ! こうして我が家にマグカップ博物館ができたというわけだッ!!


「なるほどな。ではこの中から選ぼう」


 武士はうきうきとマグカップを選別し始めた。

 10分後――。


「好みの湯呑みがなかった」


 そうですか。


「よって、某の好みに合う、愛らしくて胸踊る湯呑みを調達しに参りたい」


 断りたいところだが、その気持ちはよくわかる。結局私もお気に入りのマグカップを割ったら、新しいの買いに行くもんな。

 じゃあこのマグカップ博物館は閉館させて……。

 おでかけするか! 武士!!


「恩に着るぞ! しかし。これら湯呑みは永劫ここに貯蔵しておくのか? いっそ質屋などで売るべきでは?」


 それはそれでもったいない気がしてる。


「貧乏性よのう……」

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