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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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朝ダラ

 こんなに寒いと本当に布団から出たくない。目が覚めても布団の中でスマートフォンを眺める朝である。やめるべきなのはわかるが、モーニングルーティンに組み込まれてしまっている以上どうしようもない。私は無力だ。


「だらしないのお」


 朝の鍛錬から帰ってきたホカホカ武士が私の体たらくに物申す。言い返したいが、この状況だと全てにおいて私の分が悪い。


「その板っきれがどんな褒美を大家殿に与えてくれるというのだ。それよりも朝の準備を済ませ、体を鍛えたほうが良い。無為な時間こそ己を高める絶好の機会であるぞ」


 いいこと言うねー。ついでに啓発本も出せばいいよ。『朝のダラダラを失くせば悩みの9割は解決する』。


「なぜ大家殿は人の名前は思い出せんくせにそういう言葉ばかりスラスラ出てくるのだ」


 チクチク言葉ってレベルじゃねぇぞ。的確にみぞおちを抉ってきてる。


「ほれ、起きんか」


 いやーーーーやだーーーー布団を剥がすな! まだあと五分はダラダラできる!!


「そのダラダラを失くせば悩みの9割が解決するのではなかったか!」


 残る1割が人生の旨味ってのを決めるんだよ!! 舐めんな!!


「人生の半分も生きておらんくせに生意気なぁぁぁ」


 ぐぬぬぬぬ布団引っ張られる! 驚きの吸引力!! 一応聞くけどお前にとって人生の半分って何歳!?


「65歳!」


 130歳まで生きる気なの!? 一般的には前期高齢者に分類される年齢なんだけど!!

 あっ布団剥がされた!

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