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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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冷え対策

 この歳になって、急に足先が冷えるようになった。もともと年季の入った鉄筋コンクリートアパートに住んでおり、冬の床はガリガリくんも白旗を上げるレベルまで冷たくなる。なんとしてでも人間側でできる冷え対策を講じねばならなかった。


「家移りすればよいだけでは?」


 いいや、まだまだこのアパートに住むぞ!

 さあ武士、人類の英知を集結させるんだ!


「ぬ、大家殿! さようなことができるのか!?」


 インターネッツ!!


「結局いつもの流れではないか」


 いいんだよ、ドラえもんだってのび太がひみつ道具パクって悪さして痛い目見る流れでずっと面白いじゃん。


「ならば、やほー殿の知恵袋にて……」


 そこはやめとけ。嘘を嘘と見抜けないやつが使っていいツールじゃない。

 ……。

 ヤフーだよ!!!!





 そして調べること30秒。

 あったぞ、武士。


「早いな」


 最近検索かけたら頭にAIがしゃしゃり出てくるよね。つい見ちゃうけど、結局ソースが確かなWebサイトで確認するようにしてるわ。今回も人間の体をあっためることに全力を注いでいる企業のまとめページを参考にしたよ。


「何と書いてあった?」


 規則的な生活をして、ストレスを溜めないこと。あとゆっくりお風呂に浸かることだ。


「ふむ。だから某の身はさほど冷えぬのか」


 早速裏付けが取れてしまった。お前がノーストレスで現代に馴染んでくれて嬉しいよ。


「だがこのままでは大家殿の足が救われぬ。他に方法はないか」


 そうだねぇ……一度冷えちゃうと大変だから、いかにあったかあんよ状態を保持できるかが重要なんだってさ。だから風呂上がりにすぐ靴下をはくとか、そういうのがいいらしい。


「ふむ。わからんではないが、他に手はないかと考えてしまうな。そうだ、山に登る者に話を聞いてみたらどうだ? あの者らならば体をぬくめる妙案を知っておろう」


 ああー、冬山に登る人はそうかも。よし、早速調べてみよう。

 ……。


「どうだ?」


 靴の中に唐辛子入れてた……。


「それは大家殿には厳しいな……」


 皮膚が脆弱だからな……。

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