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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
474/678

洗濯物干し

 ここ最近、洗濯物はすっかり武士の担当となっている。が、その武士が風邪をひいた時にはもちろん私が洗濯物を担うことになる。

 それ自体は全く問題ないのだが……。


「大家殿、その干し方では厚手の手拭いは乾かん。この時期では特にそうだ。あえて隙間を空けねば風が通ってくれん」


「大家殿、そのジジイズなる召し物も厚手であろう。布地を重ねてはならんのだ。こうして口を広げてやらんと……」


「大家殿、このささやかなべらんだでは、すぐに洗い物がひしめいてしまう。いっそ二回に分けて干すのがコツだ。薄手のものは早く乾くから、先にそちらを洗濯し……」


 んのおおおおおおおお!!!!

 武士の洗濯物干しナビゲーションシステム!! それは助手席であれこれ指示をし注意する人のごとく!! ありがたいけど耳には不快!!

 ジジイズって何だよ!!!! ジーンズのこと!? 複数いるジジイのこと!!? どっち!!!??


「げほごほげほ」


 もーーー大人しく寝てな? 風邪っぴきの身に北風はつらくない?


「だが、洗濯物が乾かぬのはもっとつらい」


 そんなわけないだろ。


「更に、乾かなかった洗濯物を見て落胆する大家殿を見るのは、より、つらい」


 そんなわけないだろ! むしろ「それ見たことか!」と威丈高だろ!


「げほごほげほ」


 都合が悪くなったら咳をするー。はよ寝ろ。


「あ、その召し物は一番左端に吊るすと乾きやすい」


 はいはい、ありがとよ!

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