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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
472/588

誤字

 私は趣味で小説を書く。これはその時の話。


「どうした、大家殿」


 私が発した「あ」という声を聞きつけて、禁断の毛布タンゴを踊っていた武士が駆けつけてきた。実際は狭い部屋にいるので数歩歩けばすぐたどり着いたのだが。

 なんでもないよ。小説書いてたら誤字しただけで。


「誤字か。よくあることだ、気にするでない」


 うん、私も気にしてない。ちょっと前に「武士がいる」に別の小説の書きかけ文章アップしちゃった時ぐらい気にしていない。教えてくださった方ありがとうございました。本当にすみませんでした。


「このたびは事前に気づけて幸いである。して、いかような誤字をしたのだ?」


 ええとね。『なぜ、どうして警察が来ないんだ!』って書きたかったんだけど……。


「うむ」


 今読み返したら『なぜ、どすこい警察が来ないんだ!』になってた。


「んふ」


 んふふ。


「どうして……いや、どすこいそんな間違いをしたのだ?」


 早速応用するんじゃない。どうして……いや、どすこいだろうな……私にもわからない。


「そうか。だが誰しも間違いというものはある。気にするな」


 大丈夫、気にしてない。先日ミスしてアップした書きかけ小説のせいで全く書き溜めができていないことが公になってしまった時ぐらい気にしてない。


「うむ。……」


 ……。


「……もしもしかめよ、かめさんよ~。せかいでいちばん、おまえほど~」


 あゆみののろいものはない~。


「どすこい」


 そんなにのろいのか~。


「へい!!!!」パァン←ハイタッチした音




 このあと歌詞に〝どうして〟が出てくる歌を片っ端からどすこいに変えていたら30分ぐらい経っていた。小説の続きは書けなかった。

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