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はたらきたくない
働きたくねーーーーーーーー。
そう思いながら布団に丸まりこむ朝である。
武士、ちょっと私に憑依して会社行ってくんない?
「無理である……」
無理かぁ……。
「ほれ、ほうじ茶である。まずはこれを飲み、体を中から温めるとよい」
おお……あんがとね。
うめぇ。あったかなほうじ茶がこの世で一番うまい。
「ほかほかの味噌汁もあるぞ。本来布団の上でというのは行儀の悪いものだが、今日はよかろう」
うおおお……塩気。味噌汁の塩分はこの世で一番体にいい。
「さつまいもも入っておる」
ありがとうありがとう。味噌汁に入っているさつまいもほど甘いものこの世にない。
「たまごやきも食え。ちきちきも入っておる」
ちきちき? あ、シーチキン?
最高じゃん。お酒のおつまみにもなる、この世で一番嬉しくなっちゃう副菜じゃん。
「最後は米だ」
あーーーーー日本人の心! 結局この世で一番日本人の心に沁みるのは米だよ! 米なんだよ!!
「本日の大家殿はコノヨコノヨと大げさだな。では、会社は?」
この世で一番行きたくない!
「また丸まってしもうた」




