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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
459/681

大掃除!

 それではこれより大掃除を始める。


「すっきりとした心持ち……某の心は既に大掃除を終えている」


 無料ガチャガチャ権一回!


「始めようか」


 やる気になってくれて何よりだ。つかお前、居候だからね? もうちょっと家主への心配りをね?


「某はもはや大家殿よりもこの家におる。我が家といっても過言ではない」


 じゃあ我が家としてこのアパートを慈しもっか。はい、雑巾。


「ぬっはー!」


 掃除というものはやり始めると面白くなってくるものだ。武士は張り切って拭き掃除に向かった。

 さて、私も始めねばならない。よくクエン酸がどうの重曹がどうのというが、残念ながら地球にも人間にも優しい素材でどうにかできるほどうちのキッチン汚れはヤワではない。ならばどうするか。


 そう! リンレイのウルトラオレンジクリーナー!!


 マジで引くほど汚れが落ちる。一度使ってからというもの、私はこの洗剤から逃れられなくなった。

 さあ武士、これを使ってみ。


「ぬ?」


 油汚れを水拭き掃除で解決しようとしていた無謀者に、ウルトラオレンジクリーナーを渡してみる。武士はしげしげと眺めたあと、おそるおそるシュッと一吹き厄介汚れに吹きつけてみた。

 効果のほどは皆様の目でご確認ください。武士ははしゃぎ倒した。


「江戸に持って帰る!!!!!!!」


 はしゃぎすぎて武士の江戸に持って帰りたいリストに無事インした。注意事項としては、必ず手袋を着用すること。先日素手で夢中になって掃除していたら、後日指の皮が大変なことになったからだ。


「大家殿! 窓は拭くのか!?」


 そうね。余裕あったらよろしく。危なくない範囲でね。


「大家殿! 雪隠を美しく磨き上げてくるぞ!」


 頼むわ。私は風呂を磨き上げてくる。


「大家殿! りんごを剥いたが食うか!?」


 お腹空いたの? 一個ちょうだい。


「残念! 今全て某の腹の中に収まってしもうた!」


 なんで聞いた!? なんで聞いた!!?

 いいもんねー! 私は湖池屋のサワークリームポテチ開けるもんね!! お前には一欠片もやらんもんねー!!


「すまんかった!!!!」


 一秒も迷いのない土下座!!!! お前武士としてのプライド江戸に置いてきたの!!? いや、江戸にもなさそう!!!!

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