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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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食洗機買った話

 おう武士、私とお前にプレゼントを買ってきたぜ。


「某と……大家殿に?」


 まぁ普通はそういう反応になるな。だが、これは紛れもなく私とお前へのプレゼントなんだ。前々からずっと買いたい思っていたものの、なんやかんやで機を逃し続けてきちゃってさ。ブラックフライデーってことで思いきって買っちゃった。


舞楽無頼伝ぶがくぶらいでん


 舞を伴う古楽の無法な伝説が始まっちまう。


「して、何を買ってきたのだ?」


 ふっふっふ……見て驚け泣いて騒げ。これこそ現代における神器のひとつ!


 自動食器洗い機だ!!!!


「……」


 せっかくうやうやしく披露したというのに、当の武士はいまいちピンときていないようで、ツンツンとつついている。仕方ない、説明してやろう。

 そこの箱に汚れた食器を入れてボタンを押せばあら不思議! しばらく後には綺麗になった食器が鎮座してるってシロモノよ!


「な……なんと!」


 ふふふそうだろう。驚いただろう。いやー、私もお前の反応が見たくて頑張ってるところあるからね。思う存分喜んでもらって……。


「ついに人は、かような小さき箱にスポンと入ってしまえるようになったのか!」


 人力で動かすんじゃねぇよ。エレキテルからくりなの。むしろ小さい人が入っちゃってるほうが非現実的だろ。


「だがドラえもんではよく見た」


 あれは遠い未来の話で……。


「遠い未来……?」


 そうだね、あと百年もしないうちに来ちゃうね……。

 いやいや、ドラえもんはいいんだよ。今は食洗機を喜んでくれ。


「うむ、実に便利な物であるな。油汚れも落としてくれるのか?」


 説明書によるといけるらしい。あ、でもたまに汚れが残ってることもあるから確認してくれって。


「ふふん。では某のほうが有能であるな?」


 お前の洗った茶碗、たまにカチカチになったご飯粒ついてんじゃん。いい勝負だよ、きっと。


「今後は負けぬ!」


 いいよ、コイツに任せちゃえよ! 機械と張り合うな!

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