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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
449/679

寝坊をいたしましてよ

 やべええええ寝坊した! 遅刻する!


「ぬおおおおおおおおお!!!!」


 歯磨き! 洗顔! 朝ご飯……はもういい! 一食抜いたぐらいじゃ死にゃしない!


「それはよくないぞ、大家殿! 睡眠とは体力を使うものだ! せめて昨日の残りの焼き芋を放り込んでいけ!」


 焼き芋じゃなくて揚げ芋なんだなぁ! フライドポテト! 昨日の夕食マクドナルドだったから!

 そんで最近朝から揚げ物入るともう一日腹がだめになるんだよ! 年齢って枷がずっと足首に嵌まってんの!


「芋と油! 芋と油!」


 新しいおはようの挨拶!? 今ねぇ、それどころじゃないの! クールビズもだいぶ前に終わったからネクタイも締めなきゃいけないの!


「ぬ! 由々しき事態ぞ、大家殿! 後頭部に実に生き生きとした寝癖が!」


 ぐあああああこんな時に! ごめん武士! 直しといて!


「よしきたーっ!!」


 うおおおおお血迷ったか!? なにゆえお前私の頭を掴んでわやくちゃに!?


「木を隠すには森の中! 寝癖を隠すにはぼさぼさの中!」


 ばーか! ばぁぁぁぁか!!


「ぬっはっはっは」


 この野郎ーっ!!

 洗濯皿洗い等々任せた! 行ってきます!!


「うむ! 気をつけるがよい!」




 ギリギリ会社に間に合ってカバンの中を見たら、武士がいつのまにかおにぎり(昨日コンビニで買った分の残り)を放り込んでくれていた。一瞬感謝しかけたが、私の寝癖が一ミリも直っていなかったためにチャラということで手打ちとした。

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