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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
447/678

セイ、チーズ

 飼い猫の写真を撮ってSNSに上げたらフォロワーが増えるかなぁ。


 そう思い、スマホのカメラ機能を起動させた。だが家にネコチャァンはいない。いるのはブシヌワァである。

 まあネッシーの写真レベルまで解像度を引き下げ、かつ相当寝ぼけた時に薄目で見てもらえたらギリギリ猫としてごまかせるんじゃないだろうか。無理か。無理だろうな。橋本環奈と私ぐらい違うぞ。

 いや、構うものか。なぜなら武士はカメラの気配に気づき、既にポーズを取っているのだ。これで撮ってやらないのは意地が悪いことだろう。


 はい、チーズ。


「地図?」


 うわ、変な顔撮れた。

 お前せっかくキメ顔してたじゃん。なんで崩すの。


「某は地図ではない」


 ああ、チーズっつったんだよ。お前も好きでしょ、食べ物のチーズ。


「某はちいずでもない」


 わかってるよ。これは写真を撮るときの合図だ。お前が前に「はい、坊主」つってたのと一緒だよ。


「左様か。珍妙な掛け声であるな」


 お前だけには言われたくないよ……。


「しかし、なにゆえちいずと申すのだ?」


 あー……チーズって言ったら口角が上がって自然な笑顔になれるかららしいよ。

 そういうわけで、はい、チーズ。


「ちいず」


 ……。


 キス顔になったな……。


「話が違うではないか……」

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