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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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風邪

 今日の「武士がいる」は、風邪をひいたので休みます。


 いやー、なんかね、やたら体が動かないなとは思ったんだ。

 これはアレか、いよいよ歳か。いやいやまだまだ自分は若い、と三本ほどストロングをゼロったのがいけなかった。


 翌朝、喉がガラッガラになっていた。


「……大家殿、その声は……」


 私より早く起きていた武士が、怪訝な顔でこちらを見ている。


 喉が痛い。熱っぽい。体が痛い。気持ち悪い。


 そう武士に訴えると、ヤツは難しい顔をして言った。


「だから三本は飲み過ぎと言ったろう。ほれ見ろ、これでは起きることもままならんではないか」


 二日酔いじゃねぇんだよ、武士よ。風邪なんだよ。

 ストロングに罪はゼロなんだ、信じてくれよ。


 掠れた声でそう訴えると、ようやく武士は心配そうに首を傾げた。


「……風邪か」


 風邪っすなぁ。


「それは一大事だ。大家殿、しばし待っておれ」


 あ、待て。私喉が渇いてるからまず水を……。


 え、武士、やめてキッチン行かないで。見よう見まねでフライパン出さないで。あ、思い出したように炊飯器に向かった。米を出して……あーっ! こぼした! やめろ! さてはお前お粥を作ってくれる気だな!? ダメだって、作ったことないじゃん! 普通の米すらお前満足に炊いたことないのに……あああ! やめろって! なんで水たぷたぷに張るの!? 


 もおおおおおおお!!


「なんだ大家殿、寝てなければ風邪は治らぬぞ」


 起き上がって武士のジャージを掴んだ私に、武士は優しく言う。


 アホか、寝てられるか!!


「安心しろ。某がしっかり看病してやる。知ってるぞ、こういうのは“看病いべんと”と言うのだろう。まんがで読んでな、某もやってみたいと思っていた」


 だとしたらそれ何の漫画かな? 特定次第燃やそうと思うんだけど。


「まぁ寝ておれ寝ておれ。詰まるところ、寝るのが一番の薬なのだ」


 武士に抱えられ、ベッドに放り込まれる。こうなると敵うはずもなく、私はあっさり出発地点に戻された。


 ……あー……。


 ……もう、どうでもいいわ……。


 目を閉じ、夢の世界に現実逃避する。起きた時に広がる光景は地獄だろう。しかし、体を治さないことにはこの地獄から抜け出す術は無いのだ。


 そんなわけで、明日も更新は厳しいかもしれない。でも、生きてたら褒めてほしい。


 人間とは、本来生きているだけで褒められるものなのだ。


 何言ってるか私も分かんなくなってきたな。

 寝る。

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