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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
434/678

寒さに震える全人類は湯たんぽを買うのだ

 買うのだ。いいから買うのだ。

 悪いことは言わない。湯たんぽを買うといいのだ。

 想像した以上に蓄熱式はいいものなのだ。持ち歩けるし、物によってはちゃんと一晩中温かい。

 そしてできるだけ手触りが抜群にいい品を買うのだ。

 もはやそれは一個の命なのだ。腹の上に乗せて撫でているだけで、気づけば眠りに落ちているのだ。

 だから可能なら猫型を買うといいのだ。尻尾と頭と耳をつけるのだ。当然その部分まで湯たんぽの熱がフォローできるわけではないが、なんかもうそういう問題ではないのだ。心が温まるのだ。QOLがストップ高なのだ。


 よって今、うちではこの湯たんぽの争奪戦が行われている。


「某がねこちゃんと寝るのだ!!!!」


 武士が蓄熱式湯たんぽ(猫)を抱えて私に背を向けてしゃがみこんでいる。この光景金曜ロードショーで見たな。ナウシカで見た。


「この子は某が産んだ」


 記憶改変まで生じている。やばい、やばすぎるぞ蓄熱式湯たんぽ(猫)。人の認知を容易に狂わせる温もりを擁している。それもこれもいきなり冬が来たせいだ。皆様お元気ですか、こちらではカメムシが洗濯物に付着していました。


「ぬ……」


 あ、静かになった。

 ……。

 寝てるな、これ。

 それじゃ今のうちに武士の体の下からねこちゃんを引っ張り出して……。


「我が子」


 起きてんのかよ。だからお前の子じゃねぇんだわ。企業努力を我が物にすな。

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