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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
431/681

秋の花粉症?

 武士がくしゃみを連発していた。

 しきりに鼻セレブを引き寄せては鼻をかむ。リッチな鼻だ。まあそうでもしなきゃ、あっという間に武士の鼻の下は荒れてしまうのだが。


「はなせれぶのおる時代に生まれてよかった」


 おめぇの生まれは江戸だろうがよ。


「鼻がむずむずしてたまらん。大家殿、これはあれであるか。よもやあれではござらんか」


 ああ、そうだ。必死で目を逸らしていたけど、そろそろ認めないといけないかもしれない。


 花粉症(秋)――!


 何も花粉症は春だけのものではない。秋にも鼻炎を引き起こすような花粉が飛びまくるのだ! ブタクサはその最たる例だろう。

 症状は風邪に似ていることもあり、注意が必要だ。いつまで経っても咳と鼻水が止まらない……調べてみたら花粉症だった! ということは往々にしてあり得る。

 そして、武士。ついにお前にも花粉症(秋)のお鉢が回ってきたのだ。


「つらたん(低音)」


 そうだな、つらいな。だが現代日本ならこの症状を緩和することができる。早速明日病院にGOだ!


「ぬぬう……大家殿、すまぬな。面倒をかける……」


 気にするな。花粉症ってのは移らないのがありがたいところだ。いくらでもお前に付き添ってやるよ。


「かたじけない」


 ――そんな会話を、二週間ほど前にした気がする。

 そして翌日、武士は38度の高熱を叩き出し、花粉症ではなく風邪だったと証明してみせた。


 結果、鮮やかに私にも移り、何なら武士より寝込むことになったのである。皆様お久しぶり!! 次回、『突然の高熱! 肺に映る白い影の正体!』お楽しみに!!

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