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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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コロナにかかった

 コロナにかかった。


 びっくりした。ちょっと頭痛が酷くて熱が39度出て倦怠感がエグくて喉の痛みのあまり一睡もできなかっただけでただの風邪だと思ってたのに、「客観的事実は全てコロナを指しています」というお医者さんの言葉と共に鼻に綿棒突っ込まれてコロナだと判明した。

 今はもう熱は下がったのだけど、代わりに倦怠感と味覚障害が残っている。すげぇ! ミロのチョコが砂利のようだ!


「難儀であるのう」


 ところで武士は私よりひと足先に風邪をひいていたので、マスクをつけて高みの見物である。こいつは通ってる病院が違うので特に検査はしていないが、絶対私のコロナはコイツから引っ越してきたと思う。

 あなたのコロナはどこから? 私は武士から。


「しかし某の食べるメシは美味いぞ」


 それは何よりねー。後遺症が出るのは人によるからお前は幸運だったんだよ。もりもりお食べ。私はまだもうちょいウィダーインゼリーの恩恵にすがりついとくから。


「大家殿は確か以前も後遺症をくらっておったな」


 うん、その時ひいたのは完全にただの風邪で、なのに食欲不振が半年間続いた。


「なぜ病気にかかるたび、いらぬオマケがついてくるのだ?」


 そんなんこっちが聞きたいわ。

 あれじゃない? ウイルスが侵入してくるたび、これを機に生体組織を変化させて私という人間を進化させようとしてるとか……。


「何を言っておる?」


 何を言ってるんだろう……。

 とにかく後遺症を乗り越えた暁には、私、翼とか生えてるかもしれない。


「まことか」


 コロナウイルス、翼を授ける。

 まことなわけねぇだろ。強がりから出る冗談だよ。


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