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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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一日の終りに

 あなたは想像できるだろうか。


 歯磨きを終えていざベッドに向かおうと振り返った時、壁の角に手足をつき天井付近で待ち構えていたちょんまげジャージ武士の姿が目に入った際の私の心境を。


「寝る前の鍛錬」


 壁が凹むからやめろ!

 つか寝る前に筋トレするんじゃないよ。目が冴えるだろ。やるならもっと早くからやらないと。


「寝る前になるとなぜか一日のやり残しへの後悔がむくむくと膨れ上がってきてな、何かせずにはいられなくなるのだ」


 わかるけど……。なんだっけ、リベンジ夜更かしっていったっけ。昼間働いてて自由な時間がなかった分、睡眠時間を削ってまで遊ぶ時間やだらだらする時間を確保しようとする心理。

 お前働いてないじゃん。


「ならばなにゆえ某はかようなことを」


 知らんわ。


「……」


 やめろやめろ、また上っていくな! 黙って見下ろすな! 怖い!


「下りられん……」


 無計画にカーテンによじ登る子猫ちゃんか?

 子猫ちゃんはかわいいけど武士はかわいくないので実質詰みだな。


「大家殿! 某は今よりここから飛び降りるゆえ、受け止めてくれ!」


 親方! 天井からムキムキ武士が!

 アホか飛行石も持ってないお前を誰が受け止められるか! くそっ、ありったけのクッションを持ってきてやる! もう少しだけ耐えてくれ!


「御衣」


 うわ微動だにしねぇな……。こわ。

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