水風呂
前回のあらすじ:サウナに入った
蒸し鶏の気持ちを存分に味わってから退室。蒸し鶏は味わうものであって気持ちに寄り添うものではない。
「すわ冷水!」
ええ~~~~~~~~???
まことに~~~~~~~~???
しっかりシャワーで汗を流したのち、冷水ざぶん。あ? つま先が凍るようだが? 全身死ぬほど冷たいが特につま先が極寒の地だが?
「ううむ……もとより冷え性か、さうなにて温まりきっておらんかったのかもしれんな」
あれで温まってないってんならいっそ神経ごと燃やしたほうが早いよ。
もう無理! 限界! 一抜けた!
「ぬ、大家殿、どこへ行く!? 次はいよいよお待ちかね、整うすてーじであるぞ!」
ああ? 整うってサウナ入って水風呂入ってその寒暖差により体を死に近づけることで得られる倒錯した恍惚感じゃないの?
「違う。整うとは、水風呂のあとに外気にあたり爽やかな心地になることをいうのだ」
はー、そうなのね。じゃあまだ先があるんだ。まあ外気浴なら楽ちんそうだし全然やってみても……
おっさんが椅子という椅子を占拠してるじゃねぇか!
「そう邪険にするな。仲間だ」
そうかもしれないけどどうすんのよコレ。
「致し方ない。床に座るか……」
いいの?
「特に何も言われたことはない」
じゃあ奇跡的に見逃されていた可能性があるな。
あ、席空いた! 私は行くぞ武士!
「よしきた!」
私の上に座るな!!!! お前は床座っとけ!!!!




