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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
413/591

HEY!

 ご無沙汰しております。


 本当にご無沙汰してしまった。最近の武士はようやく症状も落ち着いて、どうにか元の生活に送っているところです。


 じゃあ江戸に帰れよ。セーブ地点をうちにするな。


「某の元の生活とは、大家殿のもとでのんべんだらりと過ごすことゆえ」


 過ごすことゆえじゃあるか。筋金入りのヒモ発言しやがって。



 のたのた過ごしているうちに友人が二人結婚し、新たな生命が爆誕した。一方私は半年ほどその場で立ち尽くしている。

 これについて私は人生を浪費した罪悪感を抱いているのだが、武士に言わせるとそれもまた良しらしい。


「歩かずとも周りの景色は変わるからな」

「立ち止まらねば、小さな変化は楽しめぬ」


 さすがうちで永遠にボックスステップしているヤツだ。面構えが違う。


「もっと肩の力を抜いて生きればいい」

「人は何を言おうとこちらの人生の責任は取ってくれぬが、かといって自分で責任を負いすぎるのもまた苦しい。そう焦らずとも人生に空白は産まれない。もっと気楽に生きて周りを眺めて楽しめばいいのだ」

「そう……〝さうな〟とかに行ってな!!」


 そんなわけで武士に付き合ってサウナを始めてみました。

 今の目標は〝至る〟ことです。至る? 違うな、整う? なんだったっけ。確かどっちかがとんでもない意味だった気がするんだけどな。

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