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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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顔合わせ

 そういえば、先の正月に実家に帰って両親に武士の存在を報告しました。

 別に養う覚悟ができたとか腹を括ったとかいうアレでは一切なく、ただ単に姉がツルッと「弟が侍と暮らしてる」と口を滑らせたからです。久々に親から鬼電が入りました。まあいい年した息子が武士と同棲してるなんて聞いたら、何はともあれ心穏やかではいられないとは思う。


 とはいえ、流石に「タイムスリップしてきたマジもん武士と暮らしてます。年単位で」などと言えるはずもなく。武士にはあらかじめ仕込みをしておいたわけです。


 いいか、武士! 覚えたな!?


「うむ!」


 ご職業はと聞かれたら!?


「舞台俳優志望! 今は武士の役作りをしておるところ!」


 その髷は本物か!?


「本物である!」


 ご出身は!?


「お江戸でござる!」


 ご両親は!?


「訳あって遠いところに!」


 私との関係は!?


「友達以上恋人未満!!」


 ルームシェアの友人関係だろうが!!!!!!

 ルームシェアって言葉難しかったか!!? やめろ現在以上の発展が見込めそうな関係性!!


「それは偏見である。大家殿が思う以上にこの関係性は繊細なのだぞ?」


 知らんがな!!!! 少なくとも私とお前の間に横たわる関係ではねぇよ!!!!!!!


 現代日本生活も長くなってきたので、武士ジョークも心なしか高度なアレになってきた気がします。

 ちなみにうちの両親との顔合わせ(?)は、酒を多めに挟んだことでことなきをえました。多分武士の存在は酔いの合間に見た幻だと思ってくれたんじゃないかな。知らんけど。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんと!! ついに!! おめでとうございます。 どうぞ末永くお幸せに! 「ルームシェア」って便利な言葉ですね。
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