甥っ子6歳
姉のお子(6歳男児)が遊びに来ていた。
会うたびになんだかでっかくなっているなぁと思っていたら、4月には小学生ですってよ。私も武士もおっさんになるわけだ。
「元気いっぱい遊ぶぞ!!」
「うん!!」
そして武士と甥っ子は外に向かって駆け出した。が、その数秒後。
甥っ子の悲鳴と泣き声が聞こえてきたのだ。
すわ一大事と私も家から飛び出した。そこで見たものとは……!
「ぶしがころんだぁ……!!」
ぺちょんと階段下で転がる武士と、その武士をゆさゆさ揺する甥っ子の姿だった。
でかいほうはとりあえずいいや! 無事か甥っ子!!
「うん」
そんならよかった! じゃあでかいほうの処置をするとしよう。
無事か、武士。
そう尋ねると、武士はよろよろと顔を上げた。
「……階段を降りようとしたら……つるりと一段目から足を滑らせて……そのまま……すぱーぼーるのようにぼよんぼよよんとここまで……」
え、ウソ。そんな派手に落ちたなら骨も折れてるんじゃ……!?
ただでさえ最近まで入院してたってのに! 見せてみろ、お前!
……。
膝小僧にちっちゃい擦り傷があるだけじゃねぇか!!!!
「うえ~~~~~~~~ん!!!!」
ほれみろ、甥っ子くん泣いてんだぞ!
ああああああ大丈夫だよ! ほら、武士の頭のツルツル部分触ろうな! 君は昔お昼寝する時いっつもここ触ってたからな!
「ええええ~~~~~~~~ん!!!!!」
武士からもなんか言ってくれ!
「強くあれ」
じゃあまず起き上がれお前!!!!
五分後には手を繋いで近くの公園へと向かってました。私はサンドイッチと水筒を用意してから後を追いました。