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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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夏祭り2

 いいか? 生きるってのは恥を更新していくことなんだよ。一個潰せばまた一個新しい恥が生まれる。こうして恥が生まれては潰していった先にあるのが――。


 死だ。


「はっはっは。信じられんぐらい光りおる珠のみよんみよんしたる冠を付けたまま歩いただけで、そんな大げさな」


 うるせぇな、こんなとこ同僚に見られたら社会的な死も同義なんだよ! 特に最近はすぐSNSに上げられんだから!

 お江戸の武士殿にはわからぬでしょうがねぇ!



「むっ! 某のいた場所でも、かような愉快な浮かれ男がいればそれはもう噂一日千里を走るが如くの勢いで」


 じゃあお前もあのカチューシャをつける成人男性のリスクまあまあ承知してんじゃねぇか! ふざけんじゃねぇぞ!!


 と、そういう話をしておりました。武士を迎えにいった案内所の前で。


 恥カウントがまた一つ回りましたね。


「某は屋台を見て回るぞ。小腹が空いたのでな」


 おう、お好きにどうぞ。へぇ、みょんみょん発光玉カチューシャってちょんまげに映えるんだな……。もしくは生える? わかんねぇや。


「高い!!!!」


 そして、お祭り価格に目玉が飛び出でんばかりに驚く失礼極まりない武士である。そういうのわかっててみんなお祭りしてんの! 調子に乗った高校生みたいな水の差し方をするな!


 ともあれ、りんごあめを買ってきたようです。自慢の歯でばりばりやってます。圧巻だ。


「ほれ、大家殿の分だ」


 お、サンキュー。私が頼んだこと覚えてたのね。


「頼まれてから五分と経たぬ間であるぞ。大家殿は某を舐め過ぎだ」


 りんごあめ舐めながらなんか言ってんな。


「……ぬ? 食わんのか?」


 うん。


「なにゆえ」


 食べきれないから。冷蔵庫で冷やして朝イチで八等分ぐらいに切ってちょっとずつ食べる。


「いんすたのおなごのようなことをする」


 おーーーっとジェンダーバイアスな発言いただきました!

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