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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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最近の夏の風物詩

 そろそろ異常気象じゃない夏を知りたい。

 毎年毎年元気いっぱいに異常気象やってない? 気温だけだよ、「昔はよかった」って真顔で言えるの。まともに出歩けないレベルで暑いとか何なの?


 そういうわけで、氷をミキサーで粉砕してなんちゃってかき氷を作っているのです。


「おかわり!」


 そろそろ武士がいない夏を知りたい。

 毎年毎年元気いっぱいに冷蔵庫カラにしてない? お前だけだよ、「昔(赤ちゃんの頃)はよかった」って真顔で言えるの。まともに直視できないレベルで食費を圧迫するとか何なの?


「おかわり!」


 その点、かき氷はいいよね。水道代と電気代、あとシロップがあればいいもん。小腹が空いたと訴える武士への捧げ物にちょうどいいです。


「おかわり!」


 やっべぇ、氷の製造が追いつかねぇわ。もう製氷器が空っぽになってやんの。お前夏の水分全部かき氷で賄おうとしてない?

 つーか、そんなに食べて大丈夫なんだろうか。お腹壊さない?


「某の腹は鉄でできておるゆえ」


 じゃあいいか。私の分も食べなよ。


「かたじけない!」


 そして数時間後、そこにはトイレから永遠に出られない武士の姿が!


「謀ったな大家殿ぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 何も謀っちゃいねぇよ。胃袋鉄なんだろ。不具合起こすなや。


「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 私はトイレの前から離れた。武士の痛恨の声を聞くより、ベランダで風に揺られる風鈴の音を聞いていたいと思ったからである。


 ダメだ無風だ! クッソ暑い!!


「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 なんだよ地獄かよここは。

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