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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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子守武士

 武士が、時折姉上に呼ばれて子守に行くようになった。


「今日も行ってきたぞ」


 本日の夕食はカレーです。もさもさもりもり食べながら、武士が成果報告をしてくれます。


「赤子がぐずり始めたのでな。両横腹のあたりを、こう、手でさすっておったのだ」


 ほうほう。


「すると、やおら落ち着き始め……静かに虚空を見つめながら……」


 うんうん。


「けぽぉっ、と……吐いたのだ……」


 そうか……。

 腹が……苦しかったのかな……。


「大量に……吐いた……」


 びっくりしたね……。


「先日の大家殿を思い出した……」


 どこぞの酔っ払いのことは思い出さなくていいんだよ! それにあっちはちゃんと私自身で処理してただろ!

 まあ、吐いたならすっきりしたんじゃない? その後は無事寝ただろ。


「否。赤子の目はパッチリと覚め、いよいよ甲高い声で泣き始めた」


 おやおやおやおや。


「ところで最近は泣き方も堂に入ってきてな、ようやく人の子らしくなってきたといったところだ」


 生まれたての時は一目見て「あ、これ思考能力まだ無いな?」って思ったもんな。


「うむ。加えて、物を目で追うようにもなってきたのだ」


 追視ってやつだっけ? 目が見えるようになってきたのは嬉しいね。


「試しに焼肉のタレを見せたら、じっと追っていた」


 試すにしてもモノは選びな?

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