表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
388/588

春もうららに

 まだまだ全然、ホラー系YouTubeを漁っています。なおついさっき見たホラーは、「お前を窓の外から見てるぞ……」って言いながら最終的にiPadの中から出てくるやつでした。ダメだよ、お約束を自分から破っちゃ。出てくるにしてもせめてパソコンから出てきてくれよ。Windowsってね


 さて。


 春もうららか、春眠暁を覚えず。気持ちの良い季節となってきました。

 武士も、ふとした瞬間にうとうとしています。こんな時に背後から忍びが来ようものなら大変ですよ。斬られたことにも気づかないかもしれない。


 桜でも見に行くか?


「ぬぅん。また来年にしようぞ……」


 来年ってお前。まだまだいる気じゃん。


「世の中に〜たえて桜のなかりせば〜」


 お、何いきなり。


「春の心はのどけからまし〜」


 短歌?


「在原業平である」


 ああ、その名前は知ってる。平安時代のプレイボーイだっけ。言われてみれば聞いたことある歌だな。


「もしもこの世に桜がなければ、みんな心穏やかに過ごせたというのに」


 なんだっけ、人って桜が咲き始めたといってはソワソワして、散り始めたといってはションボリしたりするよね〜って話か。一理ある。毎年「花見しなきゃ……!」って焦ってるもんな。


「そう焦らずともよいのだ。桜とはふいに目にして『ああ、良いな』としんみりするところに心があるのだ」


 そうかもな。


「ゆえに今年はYouTubeでいいのだ」


 心とは。


「ぬおー! おすすめ動画にげに恐ろしきものが!」


 あ、ごめん。ログアウトしてなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] (*´ー`*)……武士、それは女性を口説く時に使う歌だよ。 あなたがいなければ、これほど心乱れる事もないのに。 でも『武士がいる』の女性って、大家さんのお姉さんしかいないから、使えないか。(…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ