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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
375/588

射出

 冬は、アデニウム(植物)がのんびりしている。夏にはイキイキと伸ばしていた葉も、今は黄色くなってハラハラ落ちていく。植物にとって葉とは重要なものだと思うのに、「維持するほうが大変だよね」とわりきって捨てるのだ。植物というものは、まったくもって合理的である。


 私も見習いたい。


 見習って、武士を江戸に向かって射出したい。


「えれきてるにかかる金がものすごい」


 そう、昨今の電気代高騰事情が我が家にも押し寄せているのだ。頑張って節電を試みてはいるものの、やはり日中も家に人がいてはその分電気代がかかってしまう。かといって、武士に「日中はオールで外出してくれ」とも言えない。ただでさえ健気に着る毛布でしのいでくれているのだ。これ以上望むのは酷だろう。


 だから、江戸に向かって射出したい。平和的に解決したい。


「てれびでやっておった。江戸にはえれきてるがなかった。だから江戸の暮らしを取り戻せば、金を払わずに済むと」


 おー、そうなんだ。その案、武士的にはどう?


「却下!!!! 某は! 冷やき箱(冷蔵庫)も! ごみ吸う箱(掃除機)も! 好きだ!!!!」


 だそうです。現代日本人の皆様、これが江戸時代を生きた男の声です。人は一度電気のある暮らしを知ってしまったら戻れないのです。


「ぬーん」


 でも電気代節約のため、今我々は古き良きお湯を入れるタイプのゆたんぽをこたつの中に突っ込んで暖を取っています。こたつから外は別世界である。夏が怖いなー!


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