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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
372/590

前髪

人間生きていたらどうしても髪が伸びるので、適宜切らねばならない。だけどちょっと前髪が伸びたぐらいなら、自分で切って終わらせてしまうこともある。

 だから、今回もそうしようかなと思ったのだが……。


「やりたい」


 シザーハンズと化した武士が、なかまになりたそうにこっちを見ていた。


「某も、髪結いになりたい」


 やめてよ。

 シンプルな拒絶で申し訳ないけど、やめてよ。


「だが前髪を切るだけなのだろう? 実にたやすきことよ!」


 ふふーん、と鼻を鳴らす武士に、並々ならぬ勢いで立つフラグを感じる私である。そういうこと言うやつほど、とんでもない前髪をこさえるんだよ……。


「頼む」


 いや。


「このとおり」


 絶対いや。


「某秘蔵の踊りを見せるから」


 釣り合わねぇよ。見ねぇよ。


「よいのか? この踊りを見た者は、すべからく腹を抱え天地を揺るがすほど笑い転げたというが」


 何それ。だから見ないって……。


「父上曰く、将軍にお見せした日には危うく次期将軍になるところだったと」


 嘘つくにしても堂々としすぎだろ。


 ……。


 …………。




 踊りはクソみてぇにアホみてぇでした。でも今の私の前髪のほうがクソアホなので、どうでもいいですね。はい。私の馬鹿野郎。


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