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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
370/588

ベッド

 わけあって忙しくしていました。だけどお陰様でそれもひと段落したので、『武士がいる』に帰ってくることができました。ただいま日常。ただいま社会。


 こんなに寒くなるなんて聞いてねぇぞ。


「こたつでも手に負えぬ!」


 武士は、こたつに肩まで潜って温度を爆上げしています。ただでさえ電気代が脅威の高騰を見せてるっていうのにね。でも仕方ないね。うちのアパートの床、冷蔵庫の壁レベルで冷たいから。


「だが……床を毛布で嵩増しすることはあいならん! なぜならこたつの火が燃え移るから! 温かいどころではなくなるから!」


 そう。こたつの中にむやみやたら布製品を詰め込むのは剣呑なのである。万が一にも出火したら大変だからだ。勿論原因はヒーターと毛布の接触とか古くなったコードからの出火とか色々あるのだけど、面倒くさいから武士には「火が移るから」とだけ伝えてある。

 一応、床に熱遮断シートなるものを敷いてるんだけどな。冷気ったら、ものともせずに貫通してくる。


 なので、とりあえず武士をこたつから出した。そして、私はそそくさとこたつをしまう。


「何をする!」


 それから、あらかじめ買っておいたキャンプ用の折り畳み式簡易ベッドを広げた。そこに武士用の布団を敷き、電気毛布をかけてやる。


「ぬ?」


 よし、完成。入ってごらん。


「ぬ……。……ぬ!」


 ベッドに入るなり、武士の顔が明るくなった。ごそごそと布団の中で丸くなり、顔だけ出して満面の笑みを浮かべる。よしよし、いい感じらしい。床から体が離れただけだけど、格段に快適になったと見える。


「つまり某も……“ぺっとでびう”ということだな!?」


 眠かったから最後の言葉は聞き流したけど、もしかしたらベッドデビューって言いたかったのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 武士は確かにペットポジ!!
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