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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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アロマ

 アロマオイルなるものに、地味にハマっている。

 無印良品のやつである。始めは自分の寝付きの悪さ対策に導入されたのだけど、使ってみたらこれが案外良かった。ので、今は何本か買ってみて色々試してみている。

 自宅で作業をする際、私はローズマリーとグレープフルーツを混ぜたものをアロマストーンに垂らしている。効果はよくわからない。でも多分、集中力とか上がってるんじゃないかな。


「くさい」


 武士には甚だ不評であったか。


「まことにくさい」


 シンプルだが傷つく一言の代名詞を繰り返してる武士である。


「突然ぐわっと匂いがくるのだ。某は鼻が曲がりそうになるぞ」


 言われてみりゃー、お前の時代にはない匂いばっかりだもんな。でもアロマって言い方しても、要するにお香みたいなもんだよ。そんな毛嫌いしなくても。


「ふむ、大家殿の言も然り。そういえは、某のいた場所にも香り袋というものがあった」


 香り袋?


「知らぬか? 白檀などの香料を小さな袋の中に入れて、袖の中に入れておく。すると動いた時などに、ふわっといい匂いが香るのだ」


 へー、風流なものがあったもんだね。


「うむ。時代を遡っても香を焚きしめて服に匂いをつけていたと聞くし、人と香りは切っても切れぬものだな」


 うんうん。


「つまり某はどこに行っても、きつい匂いからは逃れられぬというわけだ……」


 タイムスリップ経験者が絶望的な顔してる。さてはコイツ、香り袋もそんなに好きじゃなかったな?


 ……少し、アロマの量を控えるか……。

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