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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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メリクリの季節

 メリークリスマス。


 武士も、昨晩は闇に紛れて現れる三太なる不法侵入者を心待ちにしていました。


「ぬ、大家殿。鍵はしっかりかけるのだぞ」


 眠る前のチェックをしていた私は、武士に話しかけられた。


「三太殿のことなら心配いらぬ。どんな錠でも開けられる、摩訶不思議な鍵を持っておるからな。すかい殿(近所の小学生男子)に教えてもらったのだ」


 多くの家庭から煙突が消えた結果、現代日本ではそうやってつじつまを合わせてるんだな……。

 そして武士は三太殿を待つため、早々に眠りについた。



 翌朝。



「ドン! カッ! ドン!」


 武士のうるせぇ声で目が覚めた。


「大家殿! はよ! はよ起きて設置するがいい! 見よ! 某がまこと良き人間であったから、三太殿が某に太鼓の達人を!」


 おー、おめでと。switch版のやつね。


「太鼓と! バチまで! ついて!」


 馬鹿力でぶち破るんじゃねぇぞ。


「うむ! 撫でるようにして使う!」


 それだと反応しねぇから、しっかり叩きな。


「うむ! ぶち破る勢いで!」


 永遠にこのやりとり続ける気か?


「大家殿もやるのだー!」


 はいはい。


 闘病を頑張った武士なので、三太殿もちょっと奮発してくれたのだろう。武士は楽しそうに太鼓を叩いていた。ビジュアル的にもぴったりである。なんたって江戸時代の人間だからな。


「ぬうっ! バチの反応が遅い!」


 それはまだお前が慣れてないだけじゃねぇかな。


「江戸の太鼓はこんなことなかった!」


 江戸にゃ太鼓の達人はねぇだろがよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 素敵なプレゼント、良かったですね♪ ……三太殿(大家殿)、諸々お疲れさまです。
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