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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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アニメ見てた話

 ようやく色々一段落したので、溜めていたアニメをイッキ見している。武士も私の隣で、ドキドキハラハラの展開に手に汗握る日々だ。


「しかし、これはどういう仕組みなのだ?」


 私の作った糖質比較的オフクッキーをかじりつつ、武士が首を傾げる。


「ぬるぬると動き、あたかも命があるかのごとく振る舞う絵の中の者達……。気づけば某も、彼らがこの世のものではないことを忘れてしまうほどだ」


 アニメキャラをオバケみたいに言うんじゃない。でもそうだよね。アニメとかゲームのキャラって、声優さんの演技や現代技術も相まってほんとイキイキしてる。ストーリーが良かった時の没入感たるや、えも言われぬ感動を覚えるもんだ。

 で、何? どうやってアニメ作ってるのかって?


「うぬ」


 えーと……口で説明するより見てもらったほうが早いかな。おや、偶然にもこんなところに諸事情により大量印刷されたA4用紙が。


「それをどうするのだ?」


 他に用意するのはペン。そんでもってこの紙の端っこに、ちっちゃい棒人間さん登場。


「はじめまして」


 二枚目には、ちょっと違うポーズを取った棒人間さんを描いてみる。


「ぬ、腕が動いたな」


 こんな感じの差分を、十枚ぐらい描く。


「ぬんぬん」


 よし、できた。次にこれらの紙をパラパラめくってみると……。


「おお! 棒人間殿が動いた!」


 はい。これがアニメの根本的な仕組みです。


「……。……!? ……!!???」


 いや、「解せぬ」みたいな顔されても。


「だが、某の知るあの者達はもっとフクザツで……!」


 だからすごいんだよ。何人もの人が頑張ってアニメを作ってるんだ。


「……それを我らは無料で見ているのか?」


 そうだね。まあCMとかもあるけど、感覚的には無料に近いな。


「……!」


 なんかもだもだしてる。


「……ッならば某には何ができるのだ!」


 すげぇ熱こもってんじゃん。えー……? DVD買うとか、グッズを買うとか?


「買うぞ!」


 お、おう。じゃあラストが良かったら買おうな。


「そんなことを言っている間にも、棒人間動かし係の者には賃金が発生しておるのだぞ!」


 アニメーターな。なんだ、棒人間動かし係って。

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― 新着の感想 ―
[一言] 遅れ馳せながら退院おめでとうございます! アニメーターにも優しい武士! お身体もご自愛くださいね。
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