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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
359/680

またヤツの季節ですよ

 武士は、相変わらず薬を飲みながらのんびりと日々を過ごしている。軽めの家事ならできるぐらいになってきたので、私もちょっと楽になった。


 のだが。


「ぬ、カメムシ」


 パジャマを運ぼうと持ち上げた時、ころりと緑色の塊が転がり出てきた。絶叫した。私は、冬になったら出てくるこの緑の虫が大嫌いなのである。


「バタしたぞ! バタはしたぞ!」


 必死で武士が弁解するが知ったこっちゃねぇ。現にここにいる事実に変わりはないのだ。

 つーかバタって何よ! 洗濯物振った回数!? じゃあせめてバタバタだろ一回じゃ足りねぇんだよ敵には鉤爪ついてんだぞ!!


「つまり、2バタと」


 いや、5バタ!


「6バタ!」


 7バタ!


「むう、8バタか。ならば某の負けだ……」


 何が始まってたの!? どういうルール!?


「やむなし。では某が、この虫ケラを厳しき外の世界に送り出してこよう」


 お、おお、頼むわ。助かります。


「ぬ、ポイと投げた拍子に飛んでまた入ってきた」


 ぎゃー! ふざけんなよ!


「飼うか?」


 うちでは飼えません! 捨ててらっしゃい!!


 暖を求めて潜り込んでくるのは、可愛い彼女かペットと相場が決まっているのである。ほんと、どこの馬の骨ともしらない虫殿にはご遠慮いただきたいところだ。

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[良い点] >暖を求めて潜り込んでくるのは、可愛い彼女かペットと相場 可愛い彼女(武士)かペット(カメムシ)
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