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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
355/588

入院初日でもう

 武士、今のところはまだ指定難病からは外れる範囲らしい。このまま難病にならずになんとかなれーッ!

 あとギガホ的なプランにしたやつ。即日じゃなく翌月対応だったので、今朝あっという間に通信制限かかった武士から悲しい目をした写真が届きました。文字を用いろ。ドコモユーザーなのでahamoで対応しました。


 ところで、入院生活においてやはり重要となるのは清潔さだ。人間生きていれば、何を望むなく願うなく勝手に汚れていく。皮脂とか。汗とかで。


 だからまあ、ちょんまげに対して看護師さんが微妙な顔をしたのもむべなるかなと思うのだ。


「……」


 武士は今、髷を解いていた。


「……」


 ……うん。


 仕方ないよ。だってお前、入院用の枕で穴の空いたやつとかあるわけないじゃん。私が差し入れるにしてもさ、なんかもう、ちょんまげってそういう問題じゃないじゃん。

 うん……。


 ……あの、周りのご反応は?


「夜、小便に出た某とばったり出くわした者が、『落武者!!?』と叫んだ」


 あああ、一日目にして……。


「続けざまに鳴り響く、茄子べる」


 ナースコールな。


「飯が美味くなければ心が折れて帰っておった」


 いやいやいや、飯の問題じゃなくてお前の病気が治るまでは帰れねぇんだよ。


「ぬうっ!」


 いっそ坊主にしたら?


「だがそうすると、この住まいを出た暁に髷を結えんからなぁ」


 お、退院を見据えてるのは素晴らしいな。

 でももう病院のこと住まいっつってんのな。早いな、適応が。

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― 新着の感想 ―
[一言] ちょっと溜めていたのですが。 こちらではまさかの武士が……! 武士、尻振ってる場合ではなかった。 尻振り祈願される側だった……ごめんね、武士。 長埜さんと武士のご回復を、切にお祈り申す次第…
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