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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
354/589

入院のお知らせ

 ちょっと武士が長期入院することになった。病名は指定難病レベルのやつなので、伏せておこうと思う。優しい読者のために付け加えとくと、お金の心配はしなくていい。これも色々と都合がつけられたのだ。


 「武士がいる」は基本的にのんべんだらりな読み物だけど、私大家の現実ガチ寄りブログなので、こういうことも起こったりする。つっても、指定難病レベルのハプニングは人生においてもやりすぎだろと思うんだけど。やめろよと思うんだけど。


 つくづく、私がここまで生きてこられたのも運がよかっただけだなぁなんて思うのだ。武士も武士で、江戸時代にいたままだったら、どんどん悪い状態になっていただろう。現代日本にタイムスリップしてきたお陰で現代医療の治療を受けられ、悪化以外の道が見つけられたのだ。

 私の金ではあるけれど。

 まあ、いいよ。全然いい。命に替えられるものは無いんだ。良くなってほしい。そう思う。


「メシがな、これが案外美味いのだ」


 入院初日、マジで何の緊張感も悲壮感も無く、武士は言った。


「大家殿といい勝負かもしれん」


 きっと褒め言葉なんだろうな。ありがとよ。


「しかしこの閉塞感はいただけんな。これでは某、咎人のようである」


 ぐるりと白い部屋を見渡す。確かに、趣味が散歩の武士には狭い部屋かもしれない。


「某、無実なのに」


 それは私もよく知ってるよ……。


 案外元気なわけである。とりあえずWi-Fiが飛ばねぇ病棟に入院してたので、スマホのプランをギガホ的なやつにしてやった。これで今期のアニメも追えるだろう。

 私はというと、武士のいない静かな部屋で、お気に入りのゲーム実況を大音量で流したりするわけだ。別に寂しくなんかないんだからな。

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