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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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 甥っ子の歯が抜けたらしい。


 といっても甥っ子は五歳。当然抜けたのは乳歯である。


「下の歯か? ならば天高く放り投げねばならんな!」


 意気揚々としているのは武士だ。つーかその文化、江戸時代からあったのか。


「無論、某もやったぞ。力一杯こう、竹のてっぺん目掛けて投げてな」


 竹。


「すると父上の頭にコツンと」


 落ちてきたのか。


「否、すとれーとにぶつかった」


 とんだノーコンじゃねぇか……。


「大層ちいこき歯だったので、手元が狂ったのだ。ところで、甥殿の家にはちゃんと投げられる竹は生えておるのか?」


 どうだろう。今は乳歯を保存しておく人もいるって聞くし、そうとも限らないんじゃ?


「歯を保存!? 穴を開けて紐を通し繋げて首にかけるのか!?」


 発想が蛮族なんだよ! やるにしても、せめて加工して一個とか二個とかだろ! なんで全部繋げちゃうんだよ!


 そもそも竹に向かって投げるって話自体初耳なんだけど、どうなんだろうか。まあいつの時代も歯は大事なものである。甥っ子殿においては、末永く健康な歯でいてほしいと思う。

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