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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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秋のアンニュイ祭り

 面白すぎる小説に出会い、それからというもの自分の書く小説がまったく陳腐なものに感じるようになってしまった。この現象に心理学的な名前がついてないわけないと思うんだけど、どうだろう。単純に自信喪失?

 そんなわけで、落ち込んでいたのだが。


「安心するがいい。大家殿の能力は、本を読む前も読んだ後もそう変わっておらん」


 武士に火の玉ストレートをくらって昏倒していました。知ってるよぉ! 自分の実力がますます見えるようになったから落ち込んでるんだよぉ!


「ならば見る目が上がったということではないか。己が才の天井が上がるのは良きことぞ」


 まあ、そうとも言えるかもしれない。


「心配するな。その本を読むまでは自信満々に小説を書いておったではないか。何も失ってはおらん。むしろ読んだ分だけ得ておるのだ」


 武士の励ましに、ぬうーと武士の口癖を真似て、私は部屋の中をゴロゴロしていた。

 私はずっとある作家先生のファンだったのだけど、その先生が亡くなってから小説を読めなくなっていた。で、今。この数年を取り戻すみたいに、本を読んでいる。

 何かを表現するにあたって、私は何もかもが足りないと思う。知識はもちろんのこと、情緒や人への理解など。「武士がいる」はぶっちゃけこれブログみたいなもんで、殆ど何も考えずに実際起こったこととかを書いているわけだが、小説となるとそうはいかない。あれもほしい、これもほしいと理想ばかり高くなり、結局ひとりでに雁字搦めになってしまう。


「大家殿は、きっと真面目すぎるのだな」


 そんな私を見て、武士は微笑んだ。


「そんな疑問、力でねじ伏せればいいと某らは学んだばかりではないか」


 武士の手にあったのは、『龍が如く・極』。伝説の極道、桐生一馬の物語を描いた傑作ゲームのリメイクである。


「漢の三本柱とは!!」


 力と人情と矜持!!


 いや桐生ちゃんそんなこと一言も言ってないけど!


 『龍が如く』、始めましたという報告でした。これから少しずつシリーズを消化していこうと思います。桐生ちゃーーーーーーーん!!

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