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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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嗚呼、着ぐるみ

 この間武士とショッピングモールに行った所、ゆるキャラの着ぐるみが撮影会をしていた。


「まことに愛い!」


 止める間も無く、武士はいそいそと着ぐるみの元へ向かった。着ぐるみ(と付き添いのお姉さん)は明らかに引いていたけど、人懐っこいちょんまげが満面の笑みで両手を広げて来たのでは無下にするわけにもいかない。温かくハグして対応してくれた。


 だが、こちらに帰ってくる武士の顔は浮かないものだった。


「……見てはいけないものを見てしまった……」


 どうしたの。


「大家殿はあのぬいぐるみ、どうやって動いてると思う?」


 そりゃ……えっと……。

 ……いやあ、わっかんねぇなぁ……。


「大家殿の夢を壊して申し訳無いのだが……実はあの大きいぬいぐるみは、人が手足を使って動かしていたのだ。長きに渡り持ち主に大切にされた結果、命を持ったぬいぐるみではなかったのだ」


 へぇー、そりゃびっくりだ。

 おもにお前が着ぐるみをそんな風に認識してた所がな。


「今はどうやって前を見ているのかが気になる」


 聞きに行っちゃダメだよ。お前以外の子供には命を持ったぬいぐるみと思わせておきなさい。


「某、大の大人であるのだが」

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