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続・月見バーガー
噂には聞いていたのだ。大学近くの定食屋のそれだぞと。精巧な食品サンプルが必要なチェーン店の一つだぞと。
しかし、やはり目の前で実物を見ると言葉を失うものである。
「……でかい、な……」
我々は、コメダ珈琲店に来ていた。理由はシンプル、月見バーガーが売っていたからである。
そして、運ばれてきた月見バーガーを見て唖然としていたのだ。いやあ、何度かお世話になってるけどやっぱ物量で畳み掛けてくるね、ここは。
「見ろ、某の手ほどもある。まるで“ぐろーぶ”のようだ」
訳あって若干ボクシングを知っている武士である。あと武士は現代日本人男性から言うと少し背が低く、手もずんぐりこぢんまりとしていたので、コメダの月見バーガーと大体同じ大きさだった。
……いや、だからでけぇんだよ、コメダの月見バーガー。
「南無三!」
武士がかぶりついた。しっかり咀嚼し、味わう。
「うまー」
うまいか、よかった。マクドナルドとモスバーガーとケンタッキーも含めたら、どれが一番美味しかった?
「全部!」
そうだな、順位なんていらねぇな! 月見バーガー最高!




