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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
344/679

月見バーガー

 実は、月見バーガーを食べ比べしていた。


 マクドナルドと、モスバーガーと、ケンタッキー。どれも美味しかった。ほんと甲乙つけがたかった。食べてる間ずっと幸せだった。


 叶うならもう一度全部食べたい。だがその願いは叶わず、一足早くケンタッキーは月見バーガーの店仕舞いをしていた。


「なにゆえかーーーーーっ!!!!」


 事実を知った武士の雄叫びがケンタッキー前で轟いたものである。そんな奴を優しく見守っていたのは、カーネル・サンダース人形ただ一人(?)。私は一定の距離を置いていたのでギリギリ他人に見えたと思う。

 とはいえ、私ももう一度ケンタッキーの月見バーガーを食べたい。そこでこちらの出番ですよ。


 じゃん! シリコーン卵焼き!(byダイソー)


 なんかすげぇ綺麗な形の目玉焼きが作れるとネットで話題になってたやつである。これを使って月見バーガーにしちゃうって寸法よ。


 なあ武士、家で月見バーガー作ってやっから元気出せって。ケンタッキーのサンドだけ買って帰ろう?


「大家殿が作る月見ぃ〜?」


 大変失礼な目で見上げてきやがる。でも何を言われてもノーダメージだ。何故なら目の前にいるのはちょんまげ駄々っ子と化した武士だからである。何の脅威でもない。


「某を満足させられるかな……?」


 フフフと不敵に笑っているが、そろそろ床に這いつくばるのをやめるべきだと思う。






「美味いーーーーーーー!!!!」


 そして帰宅して食べて一言、武士は私の鼓膜を貫いた。


「大家殿は!! ここに!! 月を降ろした!! 月は大家殿の浅き鍋にて姿を現したのだ!!」


 おいおい大袈裟だって〜。でも確かに美味しいね、コレ。腹も膨れる。


「あと五個は食える」


 気持ちはわかるがお財布事情的な意味で却下だ。

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