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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
342/588

また急に寒くなったもんだから

 暑いからと早朝の鍛錬をやめていた武士が、いそいそとベランダから顔を覗かせて「ゆける!」と叫んだ。ゆけないゆけない。お前一晩で熱下がってっけど一応病み上がりなんだから。


 それぐらい、いきなり寒くなった。令和の天候、私の姉の情緒ぐらい安定しない。

 でも去年も同じこと書いてる気がするんだよな。そう思ったら10月23日に「寒い朝が来た」、更に一昨年は10月6日に「寒くなってきましたね」、更にその前年は「衣替え忘れてた」で開口一番「寒っ」って言ってました。

 毎年の寒暖差も比較できる。そう、『武士がいる』ならね。

 だからほんとただの日記なんだってコレ。


「鼻水も止まった。体も元気。某の筋肉は秋の風に晒されたいと申しておる」


 自らの筋繊維を代弁する武士はしょんぼりこちらを振り返って言う。


「それでも鍛錬はいかんと申すか!」


 いかんと申すよ。もう一日寝てな。


「否! 明日また超猛暑日になったらどうする! 昨今の天気ときたら我が父上の言のようにコロコロと変わるのだぞ!」


 もしや結構優柔不断な方だったのか、お父上?

 武士の身内の意外な一面が判明したところで出社する。これぐらいの気温だと仕事もしやすいというもんだ。

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