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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
341/588

 深夜、右手の違和感で目が覚めた。


 暗闇の中視線を動かす。何故か武士が私の隣で寝ていた。あれ? なんでコイツ私のベッドに入ってきてんの?

 違った。私が床に転げ落ちてただけだった。この年にしてこんなことあるんだな。


 で、右手の違和感である。どうも私の手は武士の体に下敷きにされているらしかった。

 丸太のような武士の体をゴロンと動かし、我が手を引き抜く。右手の人差し指は折り曲がったまま痺れていた。激痛。暗くてよくわかんないけど多分折り曲がった状態で圧迫されたから血の巡りが悪くなってたんだろうな。

 怖。


「そういうわけで右手が未だ痺れておるのか」


 そして朝。ぼんやりとした顔で武士が言う。


「某悪くない。某の布団に詣でるほうが悪い」


 そこを責めるつもりは無いよ。ただ見てほら。私の利き手の人差し指が動かない。可哀想だね。今日はあんま家事したくない。


「ふむ。それで某に家事の一通りを頼みたいとのことか……」


 ここでピピピと何かのアラームが鳴る。武士が自分の服の中に手を突っ込みあるものを取り出した。体温計だ。


「38度4分」


 病院行くぞ!!!! しばらく家事は無しだ! 全部スーパーがなんとかしてくれる!!


 トラブルって起きる時はいっぺんに起きるよね。行ってきます。

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