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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
326/593

中指

 「異文化コミケ」と呟きながら、武士が洋画を見るなどしている。多分異文化コミュニケーションのことなんだろうな。なんでもいいけど。

 そこで学んだことがあるという。


「こう、中指だけを立てるだろう」


 武士が恐る恐ると言った様子で、私に中指を立ててみせる。


「そして口汚く罵る。すると異国の者が軒並み怒るのだ」


 まあ中指立てようが立てまいが、口汚く罵ってきた時点で満遍なく怒られると思うけど……。そうだね。そのジェスチャーは欧米の文化圏の人にとって失礼にあたるから、絶対にするんじゃないぞ。


「む、む。少々言葉は難しいが、あいわかった。某うっかり中指だけは突出せぬよう心得る」


 そうしてくれ。さて、そろそろ私は会社に……。


「あーーーっ!!」


 突然武士が私を指差し大声を上げた。眼鏡を直しただけだってのに何を……。

 あ。


「中指―っ! 中指を立てておるーっ!」


 そう。私は眼鏡を直す時、中指で押し上げて直す癖があったのである。


「それで異国の者を口汚く罵ろうもんなら、瞬く間に怒られるぞ!」


 だからそれは口汚く罵るからトドメになるんだって。うわー、でもそうなんだ。気づかなかったな。


「とく直すがいい! 大抵そこから大爆発が絡む事件に発展するのだ!」


 ステイサムが出てくる映画でも見たのかな? うーん、けどなかなか癖って直らないよね。気を付けていくしかないけど……。


「はよ直さねば、某たち異国旅ができぬぞ」


 直ったところでお前を連れては行かねぇよ。ああ、だけどなぁ……。


「なんだ」


 堂々と人前で中指を立てられる機会が無くなると思うと惜しい気が。


「先にどうにかせねばならんのは大家殿の思考だったか……」


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― 新着の感想 ―
[一言] でも中指で眼鏡直すのセクシーですよね(性癖)
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