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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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全身麻酔体験レポとか

 そんなこんなで生まれて初めて手術してきたわけですが。

 まさかの全身麻酔でした。お医者さんからは「麻酔するよー」としか聞いてなかったので肝が口から出るほど驚きました。軽い、麻酔へのノリが軽い。

 麻酔のせいで勝手に体が動いてはいけないということで、手足首にバンドをつけられ手術台に固定されました。見た目は完全にショッカーの改造手術。なるほど、あれはそういう方面の配慮でもあったのか。


「痛み止め入れますんで、痛かったら言ってくださいねー」


 のんびりとしたお医者さんの声に「ハイ」と返します。でね? 普通「痛かったら言ってくださいね」って痛くない可能性もある系の忠告だと思うじゃないですか。問答無用で痛いんですわ。「痛いっす、まるで点滴部位から炎が血管に通っているかのような」ってちょっと文学出ちゃったもん。


 お医者さんは「なるほど」って言って流してました。私の文学流さないで。


 そんでいよいよ麻酔打つことになって、また「痛かったら言ってくださいねー」と言われました。麻酔はほんといきなり意識が切れると聞いていたので、どんなもんかなと思ってワクワクしてました。

 「痛いです。いや気のせいかな? いややっぱ痛いです。いやでもやっぱ気のせいなような」

 そこから先の記憶はありません。どんなにうるさくても麻酔打てば一発ですね。時計型麻酔銃の開発が急がれます。

 そういうわけで、次に目が覚めたら処置が終わってました。何なら終わった直後でした。二時間は目が覚めない予定だったそうですが、私が起きたのは二十分後。施術してくれた先生にお礼が言えるな、良かったな、と思いながら「手術ありがとうございました」っつったら「うわっ、覚醒していますね!」とお医者さんに言われました。なんかいまいち誠意が伝わらず終わった気がします。


 覚醒は早かったのですが、麻酔酔いが酷かったのか。そのあと三時間経っても生まれたての子羊みたいな足してました。プルプルしてんの。勝手に震えるの。


 あと武士が途中から来て荷物持ち兼タクシー呼んでもらったんですが、明らかに受付がざわめいていました。最後の最後までお騒がせして申し訳ないと思いました。


「ぞんびか! ぞんびのようだ!」


 うるせー、肩貸せ!

 肩まで手を上げる気力が無かったんで、手を貸してもらいました。美しい友情に見えます? どう見ても武士に介護されるオッサンでしたよ。都市伝説になれるな。

 そうそう、全身麻酔した人をおうちに連れ帰るときはゲロ袋を持ってきてあげたほうがいいよ。私は吐きました。タクシーの運転手さんがビニール袋持ってなかったら(車内が)即死だった。


 そんなわけでしばらく養生します。なんせ向こう一週間は休まなきゃだから! 仕事も行けぬだから!


「快気祝いにクレープ」


 それは素直に楽しみだ!



追伸・どうも麻酔は注入をやめて概ね2分~20分で目が覚めるそうです。しばらく休む時間が二時間とのこと。お医者さん、風評被害ごめんよ。私は元気です。

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