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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
316/679

 梅を4キロもらった。


「……」


 そしてこちらにいるのは、「お前にピッタリなプレゼントを用意してきた。気に入ってもらえると嬉しいな」と言われ嬉々としていたら目の前に大量の梅を差し出された武士です。


「……某には、梅干しを作るのが似合いだと……?」


 加工に大変前向きな発言、ありがとうございます。


「だが梅干しなぞ漬けたことが無い。そもそもこの梅はどうしたのだ」


 職場の上司の奥さんのご実家がめちゃでかい畑持っててね。毎年これでもか! って量の梅ができるんだってさ。


「ほう」


 そんな上司に「梅好き?」って聞かれて、「まあ人並みに」と答えた結果「じゃあ4キロだな」とこの量をもらった。


「なんぞその占いは」


 すげぇ好きって答えてたら何キロになってたんだろうな。


「とにもかくにも、完熟する前になんとかせねばならんな。早速明日からとりかかろう」


 お願いできる? いやあ、助かるよ。断られたらどうしようかと思ってたんだ。梅もお前に貰われて喜んでると思う。


「ぬふふん」


 そうそう、ついでに梅干し漬けるための瓶も借りてきたよ。煮沸消毒して使ってくれ。


「某が断る前提があったにしては、あまりにも周到な用意」





 そして私が仕事に出かけ、帰ってきた結果。


「梅しろっぷにした」


 甘いもの好きの武士は、梅シロップを作っていました。なんということでしょう、あれだけ大量にあった梅が全て氷砂糖に漬けられています。なお完成するまで一ヶ月ぐらいかかるらしい。


「そして今日から毎日瓶を振ったりひっくり返したりするのだ。鍛錬に取り入れようと思う」


 手を滑らせて足に落下させるのが目に見えてるから、やめときなさい。

 とりあえず、一ヶ月後が楽しみである。

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