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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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マスクの弊害

 ご時世柄、マスク生活が当たり前になってから久しい。ところで皆さんは、このマスクというものにある弊害があるのをご存知だろうか。


 ――そう。


 ちょんまげが、悪目立ちするのである。


「今日は黒で参ろうと思う」


 そう言って意気揚々とマスクを着用する武士は、今日も今日とてちょんまげが悪目立ちしている。マスクが無けりゃちょんまげが目立たないかと言えば決してそうではないのだが、顔の殆どが覆われた今、人を識別する上で髪はかなり重要な役目を果たしているだろう。


 その中で、ちょんまげ。


 人の頂で燦然と鎮座する、ちょんまげ。


 目立つのは当然だろう。むしろ最近武士と話す時は、ちょんまげに向かって話してる感まである。武士が本体か、はたまたちょんまげが本体か。マスク社会において、こんな袋小路の難題に出会うとは思わなかったな。


「大家殿は何か食べたい菓子などあるか? なんでも買ってきてやるぞ」


 ちょんまげがウフフと笑っている。私は少し考えて、「カントリーマアム チョコまみれ」を頼んだ。みんなアレ食べた? すんごいよ? チョコが助走つけて殴ってくるから。


「某はー、やはりぷりぷりの原田味が良い」


 え、誰? 原田? ……あ、プリッツのサラダ味ね。突然人名混ぜてくんな。私もプリッツ好きだからあとで一袋おくれ。


「では、行ってくるぞ!」


 おう、気をつけてなちょんまげ。


「うむ、鈍足めがね」


 今なんで悪口言った?

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