オオイヌノ…
「春が聞こえる……」
武士が、そんな映画のタイトルみたいなことを言った本日。
窓が寒さにピシッピシ言ってました。
春どこ?
「先日散歩に出たところ、それは愛らしき小さな青い花が咲いておってな」
へぇー、オオイヌノフグリかな。
「でかき犬の……!? 大家殿、なんとはしたない!」
そういう名前の花なんだよ! 仕方ないの!
「何をどう間違ったら、あのような可愛らしき花にそんな名前がつくのだろう」
えー、知らん……。ちょっと調べてみようか。
……。
あ、そもそもイヌノフグリって花があるみたい。でね、その果実の形状がフグリっぽいの。これが写真。
「あー、これは……あー。……あー」
この花に似てるから、オオイヌノフグリって名前になったんだって。
「なるほど。それではオオイヌノフグリの果実はさぞかし立派な……」
ちなみにオオイヌノフグリの果実はこういう平べったいハート型で、あんまそれっぽくない。
「名前負けしておるではないかー!」
言ってやるなよ! 本人が気にしてたらどうすんだ!
「その時は謝る!」
潔いな。流石武士。
ちなみに明治時代に日本にやってきた外来種で、あっちでは「ベロニカ」って呼ばれてるんだって。なんでも、聖書に出てくる優しい女の人が由来になってるとか。
「それが日本に来てしまったせいで、フグリとあいなったのか……」
国際問題に発展しなきゃいいな……。




