寒い朝が来た
寒い。
そんな一言で「武士がいる」が始まる季節になってきました。
寒い。
「ぬうっ! ぬうっ!」
そしてこちらは昨晩あれだけ言ったのに、「まだ毛布が必要なわけ無かろう! 幾日前には腹を出して寝ても平気であったのに!」っつって普通に寝て今布団饅頭になってる武士です。食べられません。
「江戸ではこういうこと無かった!」
そんなことないだろ……。
「大層寒い! えれきてる炬燵を所望する!」
炬燵かあー。ま、出してもいいっちゃいいけど。
でもなぁ。
「なんぞ!」
今出したら襲い来る寒波に負けちゃう気しない? 「え、お前らこれぐらいで炬燵出しちゃうの? おれまだ全然本気出してないよ???」って冬に煽られる気がしない?
「某、時々大家殿が何を言ってるのかさっぱりわからん」
そうだな、私も寒さで頭やられてるのかも。
つーわけで寝直すわ。おやすみ。
「待て! せめて某にふかふかぬっくい毛布を分け与えてからに……」
おやすみ。
「ぬうううううんっ!!」
一時間後ぐらいに起きたら、武士が私の毛布を半分剥ぎ取って爆睡していました。軽く蹴飛ばして毛布を全部くれてやり、私はもそもそと起きます。休日の朝なんてこんなもんです。自由オブ自由。
そして私は、今からホットドッグを作るのです。マスタード絡めて炒めたキャベツも入れます。美味しいんだ、これが。




