ティー
心が疲れるとお茶がいい。
どのお茶のキャッチコピーだったっけなぁ。ともあれ私は今でもこのキャッチをしっかり守り、疲れた時には熱いお茶を飲んでいる。
「然り」
武士もそれには大賛成である。
「茶は良いぞ。心がほぐれるというか……なんかこう、心がほぐれるからな」
二回言ったな。一回目でもう適切な言葉見つけちゃってたんだな。
「何を隠そう、某、茶には少しうるさくてな」
茶を飲みながら、武士はフフフと不気味に笑う。
「やはり水だな。水が良くないとうまい茶は点てられん。そして茶葉だ。茶葉が良くないと味が弱くなる」
すげぇなお前。茶道歴0日の私ですら言えることを平然と言うのな。
ところで、今お飲みのお茶は?
「たいそううまい!」
鶴瓶師匠の麦茶パックを急須で入れたやつです。ご満足いただけたなら良かった。
ところで、現代日本は国際交流も豊かなもんで、様々な国からいろんな種類のお茶が輸入されている。そういうわけで、ある日ちょっと珍しいお茶を持って帰ってやることにした。
「ぬ、これは?」
カモミールティー。
「鴨? 出汁の話か?」
鳥絞めて煮出した汁ではないんだわ。ハーブティーの一つだよ。
「ハブ? 出汁の話か?」
蛇絞めて煮出した汁ではないんだわ。さっきから微妙にありそうな汁で困るな。
違うよ、これは何か色々効能がありそうな葉っぱを煎じたお茶だ。
特に、カモミールティーは気持ちが落ち着く効果があるらしい。年がら年中落ち着きのないお前にはピッタリだね。飲んでみ。
「ぬうっ!」
匂いで敬遠しとる。
「これは風呂に入れるやつであって、飲むものではない」
あー、気持ちは分からんでもないな。こんな香りの入浴剤あるよね。優しい香りの。
いやいや飲めるから。飲んでみ。
「ぬうううん! ぬうっ!」
飲めるから。
「ぬうううっ!」
ほれ。
「ぬうううううううううんっ!!」
だめでした。奴曰く「自分はもう麦茶しか受け付けない体」らしいです。おい、抹茶どこ行った。




