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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
272/679

ティー

 心が疲れるとお茶がいい。

 どのお茶のキャッチコピーだったっけなぁ。ともあれ私は今でもこのキャッチをしっかり守り、疲れた時には熱いお茶を飲んでいる。


「然り」


 武士もそれには大賛成である。


「茶は良いぞ。心がほぐれるというか……なんかこう、心がほぐれるからな」


 二回言ったな。一回目でもう適切な言葉見つけちゃってたんだな。


「何を隠そう、某、茶には少しうるさくてな」


 茶を飲みながら、武士はフフフと不気味に笑う。


「やはり水だな。水が良くないとうまい茶は点てられん。そして茶葉だ。茶葉が良くないと味が弱くなる」


 すげぇなお前。茶道歴0日の私ですら言えることを平然と言うのな。

 ところで、今お飲みのお茶は?


「たいそううまい!」


 鶴瓶師匠の麦茶パックを急須で入れたやつです。ご満足いただけたなら良かった。





 ところで、現代日本は国際交流も豊かなもんで、様々な国からいろんな種類のお茶が輸入されている。そういうわけで、ある日ちょっと珍しいお茶を持って帰ってやることにした。


「ぬ、これは?」


 カモミールティー。


「鴨? 出汁の話か?」


 鳥絞めて煮出した汁ではないんだわ。ハーブティーの一つだよ。


「ハブ? 出汁の話か?」


 蛇絞めて煮出した汁ではないんだわ。さっきから微妙にありそうな汁で困るな。

 違うよ、これは何か色々効能がありそうな葉っぱを煎じたお茶だ。

 特に、カモミールティーは気持ちが落ち着く効果があるらしい。年がら年中落ち着きのないお前にはピッタリだね。飲んでみ。


「ぬうっ!」


 匂いで敬遠しとる。


「これは風呂に入れるやつであって、飲むものではない」


 あー、気持ちは分からんでもないな。こんな香りの入浴剤あるよね。優しい香りの。

 いやいや飲めるから。飲んでみ。


「ぬうううん! ぬうっ!」


 飲めるから。


「ぬうううっ!」


 ほれ。


「ぬうううううううううんっ!!」


 だめでした。奴曰く「自分はもう麦茶しか受け付けない体」らしいです。おい、抹茶どこ行った。

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