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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
259/679

現代に生きること

 1867年、大政奉還。

 これにより徳川幕府――ひいては武士による政治が終わった。更には明治維新などにより、武士という存在は大きく立場を変えざるを得なくなる。無論、生き方さえも。

 そして現代。明治大正昭和平成と過ぎ、それこそ当時を生きた人々は、教科書で見るか大河ドラマで見るような時代になってしまった。

 そういった変遷を武士はどう思うんだろう。きっと江戸時代のだいぶ落ち着いた頃にのんびり過ごしていたであろう、コイツは。

 もしかしたら、あまりのことに衝撃を受けてしまうかもしれない。それどころか、武士たる自身のアイデンティティに疑問を抱くかも……。


 ――そう思っていた時期が、私にもありました。


「オレィッ!」


 今私の目の前には、華麗なステップでマツケンサンバを踊る武士がいます。長く自粛生活が続くとはこういうことです。マツケンサンバが踊れるようになるんです。


「大家殿、某は暴れん坊将軍が見たいぞ」


 そんで爆弾発言をする武士である。

 えー、いいの? これ相当お前の時代にニアピンしてると思うんだけど。その割に「これ違くね?」ってなっちゃうとこもあると思うんだけど。

 そっか、平気かー。むしろ気になるかー。じゃあ今度TSUTAYAで借りてきてやるわ。


「オレィッ!」


 喜びをマツケンサンバで表現するな。部屋狭いから時々腕が家具に当たってんじゃん。

 なんか……アレだな。いいのかお前、そういうスタイルで。普通現代にタイムスリップ系って、自分のいた時代とのギャップに苦しめられてなんぼじゃないの?


「……?」


 難しい言葉が多くてすぐには理解できなかったらしい。微笑んでごまかしている。一丁前に社会人の処世術使いやがって。

 でも理解してたところで多分コイツはマジで気にしてねぇんだろうな、うん。


「オレィッ!」

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