褒め合い
お仕事終わりの皆様、お疲れ様です。現在帰宅しました、大家です。
このタイミングで退職者が出ましてですね。それはいいんですが、その他色々ありまして。具体的に言うと、私の作った見積もりがアレでアレしてアレでして何故か手元に帰ってきやがったんですよ不思議だなぁ。ヘイ坊や、どうした? 値引き足りなかった? ううん?
退職する方全然関係無いですね。前途に幸あれ。
「シチューに七味をかけたでござる」
そして帰るなり、武士からどうしようもない報告をいただきました。いらねぇー。もっとあるだろ、一日の報告。
でも、実際はそうでもないのかもしれない。だって一日中家ん中にいるんだもんな。そんなに言わなければならないことなんて無いのかも……。
「あ、あと大家殿。豆苗がえらいことになっておるぞ」
ああああああーっ!! 豆苗ーーーっ!!!!
最近忙しくて全然刈り取れてないのもありましたからね! もう豆苗がちょっとしたロングヘアになってます。美容室持ってったら素敵にアレンジしてくれるかな。
「あと、買い物に行ったら夏しか売っておらんあいすが売っておった」
おいバンポソーダじゃん。天才かよ。これ美味しいんだよね。ありがとよ。
「あと、爪を切った」
えらいえらい、もうお前すっかり現代日本式の爪切り慣れたね。見せてごらん。うん、綺麗に切れてる。
「あと、掃除機をかけた」
助かるー! えらい! 百点! 床の野郎、知らん間に埃溜めてるもんな! 武士もエレキテルと仲良くできてえらい!
「うむ! 大家殿も遅くまでご苦労であるぞ!」
あんがとよ!
よーっし! バンポソーダで乾杯しようぜ!
「某、もう歯磨きが済んだ身ゆえ」
嘘だろ、このノリで断るってあるんだ。あ、今の私パワハラっぽい発言したね。ごめん忘れて。
「おやすみでござるー」
はいよ、おやすみー。あ、お前昨日作ったシチュー全部食いやがったな。ふざけんなよ。せっかく褒め合ったのが台無しじゃねぇか、朝イチで江戸に帰れ。




