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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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武士、復活

 武士の風邪が治りました。


 マジで一時熱が下がらなくて、私も大いに焦ったもんです。戸籍とか葬儀とか墓とか考えると仕事行ってる間に死なれたら困るので、有給まで取って看病してやりました。

 なんか一年以上も惰性で家に住まわせてるもんですからね、今更身元不明のご遺体ですとか言っても通じない気がするんですよ。「お前んとこの武士じゃん」とのご指摘入りそうだ。具体的には煮物くれる仲の警察官とかから。


 だから仏心を絞り出し、慣れない看病をしていたのですが……。


「なっ、なんだ大家殿! その青きぬめぬめは!? 何!? 額に貼るのか!? 額に……ヒョオーッ! 冷たい!! なんぞこれは! 熱が吸い取られてゆくぞ!」


「氷嚢か、なるほど。しかし氷嚢にしては酷く薄いな。圧か? 圧を加えたのか? こう、上から下からギュギュギュッと……」


「氷菓実にうまし。この……ぽっきんあいす? ぱっきんあいす? 分からんが、とにかく二本とも某のだ。もし大家殿も食いたければ新しきぽっきんを出すがよい」


「粥を作ってくれるのか? なんと……! あ、塩気は多めで頼む。卵も欲しい。ネギも。肉も。あとできれば刻んだ玉葱と人参も……」


 お前の! 目の前で! リングフィットしてやろうか!!!! ※持ってません。


 え、病人ってこんな喋るの? もっとこう、真っ赤な顔して布団の中でぐったりしてるもんじゃないの? 武士極限まで「待て」された大型犬みてぇにハッフハッフお粥食ってんだけど。


 幻覚?


「おかわり!!!!」


 最近の幻覚は質量持ってんなぁ。


 まあ今ではもう無事に熱も下がり、武士も元気に筋トレしてます。ご飯もしっかり三食とおやつとプロテイン付きです。居候の食う量じゃねぇんだよ。

 あと風邪の間にウィダーインゼリーの味を教えてしまったのは誤算でした。おかけで今なお時々要求されます。ダメだよ、お前おやつ感覚で一気に三つ減らすじゃん。三本咥えて「圧縮十秒ちゃーじ!」っつって一気飲みするじゃん。ダメだよ。意味わかんねぇし。

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― 新着の感想 ―
[一言] 回復おめでとうございます! カロリー摂取量が凄いぞ武士……! 三本は流石にない!!
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